Topic of the month(話題のトピックス)

イスラエルのガザ侵攻がイスラム社会全体を敵に回す
昨年末、サウジアラビア主催のアラブ・イスラム首脳会議が開催され、ガザでの戦争を終結させるよう呼びかけ、パレスチナ人に対するイスラエルの行動を自己防衛として正当化することを拒否した。出席した各首脳は、イスラエルの侵略、戦争犯罪、占領政府による野蛮で非人道的な虐殺を非難した。

開会の挨拶では、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)が、ガザでの軍事作戦の即時停止を求めながら、「これは人道的大惨事であり、国際社会と国連安全保障理事会がイスラエルの重大な国際人道法違反に終止符を打ち、世界が採用している二重基準を証明できなかったことを証明した」と述べた。

この会議が画期的だったのは、当初、アラブ連盟の22カ国のみが参加する予定だったが、後にアラブ連盟に加盟する国々が属するイスラム協力機構(OIC)も参加することになった。つまり、イスラエルの行為は、イスラム社会全体を敵に回す様相を呈し始めたということである。

(話題のトピック)

旧統一教会に対する質問権行使の進捗状況
文化庁宗務課(文科省)は2023年3月28日、旧統一教会への5度目となる「質問権」を行使、 203項目について来月25日までの回答を求めた。献金返金に係わる示談のケース、教団施設の管理運営状況、信者の勧誘状況などが主質問内容であったようである。これに対し、翌4月25日に回答が届いたが、文化庁は解散命令に該当し得る有力な事実の発掘ができず(★全国霊感商法対策弁護士連絡会では質問権を行使するまでも無く、旧統一教会の違法行為は十分に蓄積されているとしている)第6回目の質問権行使を決めた。第6回目の質問権行使は5月24日に実施され、回答期限の6月12日に文化庁へ届けられ、現在慎重に分析が進められている。

文化庁は教団による不法行為が解散命令の3要件「組織性、悪質性、継続性」に合致するかを評価し解散の発令を判断することとなる。一方で、宗教法人法第78条の2では質問権行使回数の上限は定められておらず、穿った見方をすれば文化庁がこのまま質問を小出しに続けていく可能性もある。質問権行使は昨年11月からスタートして既に半年が経過した。旧統一教会問題は過去のものとして捉えている議員も決して少なくないのでは無いだろうか。事実、国会の終盤はLGBT法案と入管法改正問題のみが争点であった。また、マスコミの扱いも既に収束案件のようである。

旧統一教会問題について政府高官には依然として『信教の自由』は重く、ハードルが相当高い。だから一過性の空気感での解散命令は、悪しき前例をつくることになる唱える声が少なくない。さらに、「下手に命令請求すれば、教団側から国家賠償請求されかねない。「多少批判があっても証拠が集まらず請求できなかった、で終わらせた方がいい」との声や、「支持率対策」「本当に請求につながると思っている与党議員は誰もいない」という声も聞こえる。文化庁が第7回目質問権行使へ向かうのか、それともこれまでのやりとりを総括した上で判断を下すのか、ネット上では明確な動向が得られない。他方、教団側も今月本拠地のある韓国と日本で合同結婚式を開催する、多摩市へ新たな研修施設建設の準備を進めるなど、着々と生き残り策を展開中である。