エスワティニ(Eswatini:旧スワジランドは南アフリカとモザンビークに挟まれた内陸国の小さな王国)での食事は、パン食を中心とした西洋食が普及し、ピザなども広くたしなまれているが、現地の主食はポリッジ(Porridge)と呼ばれるメイズ(maize:食用のトウモロコシ)を挽いた粉を熱しながら熱湯で練ったものである。ケニア・タンザニアで“ウガリ”、モザンビーク・マラウイでは“シマ“と呼ばれているが、ケニア・タンザニアの”ウガリ“のように若干粗挽きでぼそぼそとしており、”シマ“のようなしっとり感はない。
おかずは、内陸国からか魚が出てくることは限定的で肉が中心で、種類は牛・ヤギ・豚・鳥である。特に牛については放牧されるスワジ牛が有名で、赤身が中心の肉であるが、硬すぎずおいしい肉で日本人にとっても食べやすい肉である。部位については肉屋で確認できたのは、身の部分が中心で内臓に関してはハツ(心臓)牛足のみで、その他の内臓等に関してはどのように流通しているか把握できていない。
右の食事の写真は、肉屋(Butchery)で好きな肉を選んで、併設される厨房でグリルしてもらい、ポリッジと共にサラダ等の付け合わせを注文したもの。数人での会食の際の食事方法として一般に親しまれる形態である。特にソーセージは脂身の量が多いもの、少ないもの、また肉の挽き方の程度(粗い・細かい)が異なる数種類があり、それぞれ異なる味を楽しむことができる。中高年にとっては、肉食が続くと胃腸が疲れてしまうので、色々な部位を少しずつ、付け合わせの野菜と共に味わってみるのはいかがでしょう。
エスワティニの常識
エスワティニは立憲君主制の国家で、当然国王が存在する。2018年にスワジランド王国からエスワティニ王国へ国名を変更。
人口は110万人で、出生時平均余命は60.7歳と短命。この理由として水道の未整備、人口の3分の1に及ぶエイズ感染者数など貧困に起因している。また、国民に寄り添わない絶対王政が問題とされている。国王は首相や閣僚、最高裁判所判事の任免権、議会解散権、法案拒否権を持ち、税金や刑事・民事上の責任を免除されている。万人に平等という同国憲法よりも、国王が上位に位置している。自身も、法律は自由に変更可能という認識である。
最奇習として挙げたいのは、毎年恒例行事となっている国王の嫁選びである。
エスワティニは一夫多妻制が認められているのでお金のある国王は毎年新しい嫁を迎えることができる。新しい花嫁を選ぶ伝統的な儀式は「リード・ダンス(Reed Dance)」と呼ばれ、8日間に亘り実施される。この儀式には国内各地から数万人の処女が集まると言われる。貧困な国民にとって王の嫁に迎えられる事が、人生を豊かに送れる唯一の途とばかり、参加者はダンスで王へ精一杯のアピールをする。この儀式を直接目にしていないので、ウェブを通じて調達した写真が次である。
出展:AFPBBNew
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